Linux でも Windows のゲームがしたい。そうだ、Steam を入れよう!
というわけで、Steam を入れてみます
ちなみに、ご存知の方も居られるでしょうが、Steam は 非Steam 対応ゲームを登録する機能がありますが、実はゲームである必要はありません
つまり、昔に Windows でインストールしたアプリを Linux 側に持ってくることで起動できます
必ず動くわけではないですが、当方ではかつて WindowsXP にインストールした Photoshop5(文字入力はArialフォントの英文しか打てませんが…) と Opencanvas4.5 をフォルダごとコピーしたものが利用できることを確認しています
勿論、何が起こっても自己責任となりますので、予めご了承願います
Arch Linux 公式サイト
https://wiki.archlinux.jp/index.php/Steam
それでは始まります
Steam を入れるためには以下のことを行いますので、自分のようなLinux初心者は結構時間がかかると思います
そのため、時間のある時にされるか、キリのいい所でやめるようにして下さい
行う作業は以下のとおりです
なお、リンクにはなってません
1.multilib の有効化
32ビットのライブラリ等をインストールする必要があるため
2.OpenGL graphics driver のインストール
理由は Steam が OpenGL を使うため
3.en_US.UTF-8 ロケールの生成
無効なポインタエラーを防ぐのが目的らしい
4.MS フォントのインストール
Steam の GUI 環境下では Arial フォントを多用しているかららしい
5.アジア言語のサポートを追加するには、wqy-zenhei をインストール
とありますが、中国語の場合に限られると思われるので日本語環境下では必要ありません
なお、入れてしまうと一部の漢字が中国漢字となります
6.ネットワーク管理に systemd-networkd を使用している場合は、
Steam がサーバーに接続できるようにするために lib32-systemd をインストール
当方の説明のとおりにインストールされた方は関係ありませんので飛ばせます
7.Steam のインストール
では、本当に始まります
1.multilib の有効化
以下のコマンドを実行 以降この文面は省略します $ の箇所はコマンド入力だと思って下さい
$ sudo nano /etc/pacman.conf
編集画面に入りますので、ctrl+w の検索で [multilib] を検索します
すると、下記の箇所にヒットするので2行とも先頭の # を消します
#[multilib]
#Include = /etc/pacman.d/mirrorlist
Ctrl+o で保存 Ctrl+x で終了します
2.OpenGL graphics driver のインストール
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2-1.自分のグラフィックカードを確認
$ lspci | grep -e VGA -e 3D
当方の環境では以下のものが表示されました
00:02.0 VGA compatible controller: Intel Corporation Iris Graphics 6100 (rev 09)
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2-2.適切なドライバーをインストール
何が適切なのかは、下記の公式のリストを参照してください
https://wiki.archlinux.jp/index.php/Xorg#Driver_installation
今回は当方の環境では pacman でインストール可能でしたので簡単でした
$ sudo pacman -Sy lib32-mesa
3.en_US.UTF-8 ロケールを生成
※この作業、実は Arch Linux をインストールした時に設定していますが、確認も兼ねて行います
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3-1.ロケールリストを確認
$ locale -a
表示の中に en_US.utf8 があれば OK です
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3-2.en_US.utf8 が表示されなかった場合、以下のコマンドで編集
$ sudo nano /etc/locale.gen
Ctrl+w で en_US. を検索すると以下の行がヒットしますので、先頭の # を削除します
#en_US.UTF-8 UTF-8
Ctrl+o で保存、Ctrl+x で終了して、以下のコマンドでロケール生成
$ sudo locale-gen
4.MS フォントのインストール
※ Windows10 または Windows11 環境のある人は 4-3 の方法を推奨します
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4-1.Windows10 / Windows11 フォントのいずれかをインストール
AUR のサイトから Windows10 または Windows11 のフォントパッケージをダウンロードしてインストールします
AUR のインストールのやり方は、Arch Linux インストール日記5のオーディオ機能で例を示していますので参考にして下さい。
パッケージの置かれている場所だけ、ここでは案内します
Windows10用
https://aur.archlinux.org/packages/ttf-ms-win10-auto
※依存パッケージもありますが、パッケージ化する時にエラーがでますので、それに従って別途インストールして下さい
Windows11用
https://aur.archlinux.org/packages/ttf-ms-win11-auto
※依存パッケージもありますが、パッケージ化する時にエラーがでますので、それに従って別途インストールして下さい
※なお、当方環境下では makepkg がエラー吐きまくりのためインストール出来ませんでした。
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4-2.Steam フォントをインストール
AUR の steam-fonts
https://aur.archlinux.org/packages/steam-fonts
Steam 公式の SteamFonts.zip
https://support.steampowered.com/downloads/1974-YFKL-4947/SteamFonts.zip
※いずれも、リンク先が消えていてゲット出来ず・・・
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4-3.自前の PC の Windows 環境からフォントを持ってくる
自前の PC の Windows フォルダ内にある Fonts フォルダをまるごと USB メモリ等にコピー
それを Arch Linux 環境下の任意の場所にコピーします
今回は /home/username/Downloads に Fonts フォルダごとコピーしたとする例です
インストール先に必要なフォルダを作成
$ sudo mkdir /usr/local/share/fonts
$ sudo mkdir /usr/local/share/fonts/WindowsFonts
上記の場所に /home/username/Downloads/Font 内のファイル全てをコピー
$ sudo cp ~/Downloads/Fonts/* /usr/local/share/fonts/WindowsFonts/
コピー先に必要な権限を与える
$ sudo chmod 644 /usr/local/share/fonts/WindowsFonts/*
一応、本当に権限が 644 になってるか見てみる
$ ls -l /usr/local/share/fonts/WindowsFonts/
中略
-rw-r--r-- 1 root root 13086996 Feb 20 16:53 yumin.ttf
rw-r--r-- と表示されていれば 644 の権限です
fontconfig のキャッシュの再生成
$ sudo fc-cache --force
$ sudo fc-cache-32 --force
sudo: fc-cache-32: command not found と出たら必要なパッケージが入っていません
以下のコマンドで必要なパッケージをインストールして再び実行します
$ sudo pacman -S lib32-fontconfig
$ sudo fc-cache-32 --force
当方の環境下では、下記の警告が出ましたがそのままインストールしました
多分、良いようにしてくれているに違いない(願望
以後、実際何も問題は起きていません
警告: 循環依存が検出されました:
警告: lib32-harfbuzz は依存パッケージ lib32-freetype2 の前にインストールされます
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4-4.上記の全てが出来ない人向け
代替フォントの ttf-liberation をインストールします
$ sudo pacman -S ttf-liberation
5.アジア言語サポートのための wqy-zenhei のインストール
※メニューにも書いたとおり、日本語環境下では必要ありません
具体的に言うと、漢字の一部が中国語漢字になってしまいます。
一応、日本語が出来る中国圏の方が見ているかも知れないので、コマンドを置いておきます
$ sudo pacman -S wqy-zenhei
6.ネットワーク管理に systemd-networkd を使用している場合は、
Steam がサーバーに接続できるようにするために lib32-systemd をインストールが必要になります
当方環境下では必要ないためしていません
なお、使用しているかどうかわからない場合は、下記のコマンドで確認して下さい
$ systemctl status systemd-networkd.service
ちなみに当方環境下では以下のように出ました
preset が enabled になっていますが、本体が disabled になっていますので問題ない…と思います
実際、今のところ何も問題は起きていません
Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/systemd-networkd.service;
disabled; preset: enabled)
enable になっていた方は下記のコマンドでインストールして下さい
$ sudo pacman -S lib32-systemd
7.Steam のインストール
$ sudo pacman -S steam
以下の文面が出ますが、恐らくグラフィックドライバーと関係あると思いましたので当方環境の 3 の Intel を選択しました
ご自身の環境にあったものをインストールして下さい
以下、その時の文面2つです
依存関係を解決しています…
:: 6 個の選択肢が vulkan-driver にはあります:
:: リポジトリ extra
1) amdvlk 2) nvidia-utils 3) vulkan-intel 4) vulkan-radeon
5) vulkan-swrast 6) vulkan-virtio
数字を入力してください (デフォルト=1): 3
:: 6 個の選択肢が lib32-vulkan-driver にはあります:
:: リポジトリ multilib
1) lib32-amdvlk 2) lib32-nvidia-utils 3) lib32-vulkan-intel
4) lib32-vulkan-radeon 5) lib32-vulkan-swrast 6) lib32-vulkan-virtio
数字を入力してください (デフォルト=1): 3
後はインストールが終わるのを待つだけです
アプリケーション → ゲーム に Steam(Runtime) が出来ます
以上で、全てのインストールが完了しました。
後は、アプリケーション → ゲーム → Steam(Runtime) で起動出来ます
しかし、ここで終わりではありません
メニューの日本語化と Proton の有効化が必要になります
メニューの日本語化 必要な方のみ
Steam → Settings → Interface → Steam Client Language から日本語を選択します
以下 Proton を有効にする方法
【英語表記】
全体のアプリに対する Proton の有効化
Steam → Settings → Compatibility →
・Enable Steam Play for supported titles を有効にする
・Enable Steam Play for all other titles を有効にする → 再起動を促されます
・Run other titles with に最新の安定版 Proton 8.0-5 を選択 → 再度、再起動を促されます
個々のアプリに対する Proton の有効化
なお、個々のアプリに対して Proton のバージョンを下記のとおり変更することも出来る
基本的に上記の設定だけで上手く動かなかった場合に試行錯誤すると、もしかすると動くようになるかも知れない
LIBRARYタブ → HOME → 変更したいアプリを選択 → 右端の方にあるManage(歯車のボタン)
→ Properties → Compatibility → Force the use of a specific Steam Play compatibility tool にチェック
→ チェックを入れるとバージョンを選択出来るようになるので使用したいバージョンを選択する
【日本語表記】
全体のアプリに対する Proton の有効化
Steam → 設定 → 互換性 →
・サポートされたタイトルで SteamPlay を有効化 を有効にする
・他の全てのタイトルで SteamPlay を有効化 を有効にする
・他のタイトルに使用するツールに最新の安定版 Proton 8.0-4 を選択
個々のアプリに対する Proton の有効化(英語表記の説明で書いたとおり)
ライブラリタブ → ホーム → 変更したいアプリを選択 → 右端の方にある管理(歯車のボタン)
→ プロパティ → 互換性 → 特定の Steam Play 互換ツールの使用を強制する にチェック
→ チェックを入れるとバージョンを選択出来るようになるので使用したいバージョンを選択する
これで Steam のインストール・設定は終わりです
100%完全では無いにしろ、Windows専用 のアプリが動くのはかなり助かります
それでは良い Arch Linux ライフを!
(/・ω・)/ コロコロコロ =〇